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音楽室ピックヨウル

雑司が谷のバイオリン教室

指板に貼る音程の目印テープについて

ピックヨウルだより バイオリンレッスンについて

初心者のみなさんは、指板の1の指・2の指・3の指、、、を押さえる位置に、目印のテープやシールを貼っている方がほとんどだと思います。
私も4歳からバイオリンを初めて、小学校低学年までは貼っていました。粘着力が弱くなって、先生に新しいテープを貼っていただくのが、ちょっと嬉しかったりして。

 

でも、このテープが「かっこ悪くて嫌だ」という生徒さん、もしくは「音感を鍛えるのに良くない」という講師の方もいらっしゃるなど、否定的な意見も散見します。
目印テープ、いいんでしょうか。ダメなんでしょうか。

 

ちょうど弦楽器情報誌「the Strad」のサイトに、これに関する記事が掲載されています。(※英語)

www.thestrad.com 

3名の弦楽器教師に、目印テープを使うべきか聞いています。読んでみると、3名ともだいたい「選択肢のひとつとしてはアリ。ただ、生徒ひとりひとりの特性や音感の発達に合わせるべき」という答えです。

 

生徒さんの特性に合わせる、ということは私も大切にしています。記事の一人目のチェロ教師Haukur Hannessonさんも「視覚優位の生徒は聴覚優位の子と比べて、目印テープに依存してしまうおそれがある」と話しています。目で情報を認識する傾向が強い人は、そこに目印という視覚情報がある限り、音を聞けません。レッスンをしていれば、生徒さんが一番頼っている感覚はどこなのか、なんとなくですが見えてきます。当教室では目印ばかりを頼りにしている場合は、ソルフェージュを積極的に取り入れます。

 

ただし、視覚優位の傾向が強いからといって、目印テープを全く使わない、ということはしません。

 

演奏の上達にも「見る」という作業は必要です。目で見るのではなく、頭の中の地図を見ます。指板上の(指の位置の)地図と楽譜上の音符と指番号を結びつけることが瞬時に出来ると、楽譜を見て「どの弦の何ポジションの何の指だっけ…」と考える時間はなくなります。

 

上手に弾ける人に「音程はどうやって取るの?」と聞くと、「感覚で」とか返ってくることがあります。これはただテキトーに指を押さえている、というわけではありません。
指板上の地図・手の感覚・聴覚・音符(視覚)を、瞬時に繋げた「感覚」です。この感覚を長年の練習の中で、上手く結びつけることが出来ているのです。ここを誤解している方が多い気がします。高田純次さん的な「テキトー」ではなく、「適切にぴったり合う」ほうの「適当」です。

 

弦楽器を始めたら、目印テープを「指板上の地図」が頭にインストールされるまで使用し、同時にソルフェージュなどによって音感をつけること。これをひとりひとりのペースに合わせて行うこと。これが上達への一番の近道だと、私は考えています。

 

数をこなしても、どれだけ時間をかけても音程が取れないときは、どの感覚をどのように使っているか、体の中や頭の中を見つめ、一番の近道を探してみるといいかもしれません。「どれだけ楽をするか」を考えることも、楽器の上達にはとても重要です。